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婚姻と税

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婚姻と税

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山内靖雄
税理士法人J-s.山内会計
代表社員 山内靖雄



今月のテーマ

【婚姻と税】

「税を考えることは、国の未来を考えること」1)――
社会学者の古市憲寿氏が、内閣府の有識者会議で語った言葉の一節です。

税制のなかには、この国の形を変えようと設けられたものがたくさんあります。設備投資を促進するための税制優遇や、人件費を増やした場合の特別控除などです。 税制によってもたらされる変化は、経済情勢や産業構造にとどまりません。ときには、家族の形すら変えてしまうかもしれません。今回は、そんなお話しです。

ひとり親控除の創設

「寡婦」とは、婚姻の後、夫と死別するか、または離婚した後、婚姻をしていない人をいいます。

もともと、所得税法には「寡婦控除」という制度がありました。これは、次のいずれかの要件を満たす場合に、一定の所得控除が認められるというものです。

  1. 夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない人、又は夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人。この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。
  2. 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人。

この寡婦控除の制度では、未婚のまま子をもうけた人については控除が認められていません。 しかし、子どもの立場からすると親の婚姻歴の有無は無関係であり、親の婚姻歴によって税制措の置内容に差が生じることは望ましくないのではないかと指摘されてきました。

そこで、令和2年分の所得税から、ひとり親控除が新設されました。 これにより、婚姻歴の有無にかかわりなく、生計を一にする子を有する単身者について、同一の「ひとり親控除」が適用されることになりました。

フランスの事例

婚姻の有無により税制措置に差を生じさせることを撤廃しようと進めてきた国に、フランスという国があります。

例えば、日本の配偶者控除は、婚姻関係になければ受けられませんが、フランスでは、婚姻の有無にかかわりなく、いわゆるカップルであっても、日本の配偶者控除や扶養控除にあたるような措置が受けられることになっています。(厳密には、フランスの所得税制は世帯単位課税なので、控除という形ではありませんが。)

その結果、2018年に生まれた子のうち、母親が未婚である子―いわゆる非嫡出子の割合は、なんと60.4にのぼっており、現在でも増加の一途をたどっています 2)。ちなみに、同じ年の日本の統計値は2.3%です3)

まとめ

非嫡出子であっても、嫡出子と変わらない税制措置が受けられるようにしようということは、それ自体、望ましいことと考える人が多いのではないでしょうか。しかし、婚姻の有無によっても税制措置に差が生じないとなれば、婚姻に対する社会の価値観が変容してしまうことにもなりかねません。

ひとり親控除の創設をきっかけに、これからの日本の家族の形について、考えてみるのも良いかもしれません。


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