空き家の譲渡所得の特例
今月のテーマ
【空き家の譲渡所得の特例について】
総務省の住宅・土地統計調査によれば、平成25年の全国の空き家数は820万戸となり、5年前に比べ63万戸増加し、空き家率は13.5%となり、空き家数、空き家率共に過去最高となりました。空き家は放置期間が長引くと倒壊したり、不法侵入や不法投棄、放火の危険が増し、周囲に悪影響をもたらすことが懸念されています。
これらの対策として、「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が平成26年11月に成立し、平成27年5月に施行されました。市町村長がこの措置法に基づき、特定空き家等に対する改善勧告があると土地に対する固定資産税の住宅用地特例から除外されることとなりました。
平成28年の税制改正により、空き家の発生を抑制するために所得税・個人住民税における譲渡所得特例措置が創設されました。
相続人が、相続により生じた空き家またはその空き家の取壊し後の敷地を平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間で、相続日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡し一定の要件を満たす場合には、その譲渡所得から3,000万円を特別控除することができます。
相続により生じた空き家がある場合はこの制度を活かした対策を検討されてはいかがでしょうか。
《参考文献》総務省統計局、平成27年2月、「平成25年住宅・土地統計調査」。
空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年11月27日法律第127号)。
租税特別措置法(昭和32年3月31日法律第26号)。
所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)。